2013-06-09

初夏の唐松岳 プレ夏山気分でテント泊



夏山開山を前に後立山の唐松岳へ行ってきました。
お隣の五竜へ縦走?なんて案が去来するも、今回はテント張ってね、山ん中で景色見ながらユルユル過ごすべし、とゆとりを持った行程で臨みます。

急遽、思いたった山行なので、限られた時間で慌ただしく準備したこともあり、担ぐ荷物の重量は相も変わらず。
家を出る際に量ってみると、やはり20kgを超えている。
まだまだ、学習が足りないよう。
松本での行動食の買い足しは控え目にせねばと。

7日夜発の高速バスは、昨年11月の前夜発日帰り赤岳山行時に利用した格安ツアー便。
松本ICにて下車したのは午前2時前。


JR松本駅アルプス口

徒歩でJR松本駅まで移動し、そのままステーションビバークを。
朝一の大糸線始発で出発、信濃大町で乗換えて、8時に白馬駅着。

朝、JR白馬駅への到着時、麓は快晴。


先ずはゴンドラリフトアダムで兎平まで。


アルペンクワッドリフトに乗換

しかして、ゴンドラとリフトを乗り継ぎ標高を稼ぐごと、次第にガスが立ちこめる。
8日の予報では想定内とはいえ、一抹の不安あり。


黒菱平の湿原には水芭蕉が咲いていました。


更にグラートクワッドリフトに乗り継ぎ、八方池山荘に到着。


八方池山荘の登り始めからずっとこんな感じ。
往路では、ガスが途切れることなく周囲を覆い、眺望はなしで黙々と進むのみ。


八方池
まあ、こんな感じなんで、立ち止まることなくスルーする。


上の樺あたり

この上の樺の直ぐ先が最も急な斜面であったように思う。
残雪はまだ多く、途中、幾度も雪に踏み入る。



雪中のルート上には、唐松岳頂上山荘スタッフにより弁柄(赤い塗料)が撒かれていて、ルートは至極明瞭。
有難いことです。

唐松岳頂上山荘のサイトでは、この次期でも8本爪以上のアイゼンとピッケルの持参を勧めていることもあり、一応装備に加えるも、往復路とも取り出すことはなく重しとなったのみ。
雪山装備については荒天下の行動や視界不良時の進退と併せて、個々の判断となりましょう


丸山ケルン

丸山ケルンを過ぎて少し行ったところで、サングラスがないことに気づく。
丸山ケルンで休憩した際に置き忘れてきたよう。
仕方ないので取りに戻り、20分チョイ、ロスタイムとなった。


丸山を経てしばらく行くと、不帰ノ嶮がその姿を垣間見せる。
進行方向右手に見え隠れする荒涼な山肌を眺めつつ歩を進める。


唐松岳頂上山荘

唐松岳頂上山荘に着いたのは13時過ぎ。
すぐ側にあるはずの唐松岳はガスに覆われ、山容を確認することも叶わず。

テント泊の受付を済ませ、側のテン場に移動すると先着は1張のみ。
なるほど、まだ13時過ぎやからね。
この日、テントは6張でした。


そういえば、ソロテント泊は昨秋の白馬岳以来やったか。

テントを張って、直ぐ唐松岳に登るべく予定していたものの、こうもガスが立ちこめていては、とてもその気になれず、明日に望みを託すこととする。
じっとしていると次第に寒さがこたえてくる。
もう残雪の折でもなし、軽量を重視すべしと防寒着を省いたのが悔やまれる。

そんなこんなで時間を持て余す中、飲んで喰って一寝入りしたりで暇つぶししていると、本日のメイン・イベントは日没直前に訪れました。
ガスがすっきり晴れたのは18時を過ぎる頃、この時期であれば、まだまだ明るい。


眼前の劔、立山の連なりと五竜岳


不帰ノ嶮と白馬岳方面
白馬三山の杓子岳は白馬鑓ヶ岳に隠れて見やることはならず。


18:55の唐松岳
日の入りはちょうど唐松岳の向こう側

この日、この地に集った登山者は寒さに身を震わせつつも、各々カメラを手にし、日が暮れるまでの間、飽くことなく雲海混じりの幽玄な眺望を楽しんだのでした。


9日早朝、テントを開けると真正面に剱岳が。
本日は快晴です。


早朝の唐松岳

朝食後、テント内を片づけてから、いざ登頂開始。
といっても、山頂までは15分かそこいら。


唐松岳山頂
背景は劔・立山方面。


五竜岳
右肩あたりには槍が見えていました


不帰ノ嶮と白馬岳方面
その向こうには雨飾山、火打、妙高と連なっています。

南に目を向ければ、南アルプスや八ヶ岳が。
両山脈の間には富士山が視認できました。
360°の壮大なパノラマを十二分に堪能してよりテン場に戻り撤収の準備をば。


登路を見下ろす。

昨日とは打って変わり、登路が遥か先まで見渡せます。
こう見ると、丸山ケルンまではそんな距離でもないんやなあと。

雪に踏み入るところは下りの方が難しいはず、慎重にと心掛けるも、そこそこ斜度があればシリセードを多用してみたり。
ステップを崩さないよう脇を滑り、また尾根筋を外すことのないよう手足で制御しながらですね、やってましたからけっこう時間を短縮できたはず。

下山途上、晴天下の中、白馬三山からの連なりを幾度も仰ぎつつ見惚れることしばし。



丸山ケルンを過ぎたあたりから、上部では五竜岳に遮られていた鹿島槍ヶ岳がその容姿を表わす。
あそこにもここにもと思考を巡らしながらの下山となりました。


八方池
ここまで一気に下りてきたので、往路はスルーした八方池で一休み。


ユキワリソウ

おっ、この花は岩木山と白山で遭遇したはず、北アルプスでは初見やなあ。
久方ぶりとばかりにカメラを向けると、デジイチを構えて熱心に写真を撮られていた男性より、
「この花の名前を御存知ですか?」とのお尋ねが。
『同一種ですけど、場所によって名前が変わるなんたらコザクラってやつでしょう。』
「ハクサンコザクラとか?」
『岩木山ではミチノクコザクラでした。ここでならばハクサンコザクラなんでしょうね。』
などと返答したものの、帰宅後、写真を眺めつつ、何やら引っかかるものがあり調べなおしてみますと・・・、どうやらユキワリソウが正解のよう。
知ったかぶりしてごめんなさい。
とはいえ、あまりにも似すぎている。
ちょっと見ただけでそんな違いはわかりませんて。


八方池山荘が見えてきました。
これから登ってくる登山者と行き交いつつ下り往きます。

一休みしてリフトに乗ろうとしたところで往復とも顔を合わせ、側にテントを張っていた方が下りてこられたので、「お疲れ様でした。」と挨拶する。
そんな一言で、本山行の完了を意識した次第。
面白かった。

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