北穂高小屋を建てた小山義治氏が自身の半生を綴った著書。
内容は北穂高小屋の建設のみならず、著者が愛した山や登攀、絵画、音楽への想い、自らも関わる数多の遭難救助のエピソード、加えて岳人として成し得た記録的な山行など様々。
とりわけ、戦後間もない物資不足の時期にもかかわらず、北穂高岳山頂に山小屋を建てようと、横尾で木を伐採・製材し、必要な資材を含め全てを北穂の山頂まで歩荷して建設したという、凄まじく過酷な経緯が詳しい。
初出版時のあとがきに相当する「いま思うこと」、中公文庫にて出版する折に(1982年)追加された「再びいま思うこと」は、著者の山登り観を吐露しているかのようで、より興味深く拝読した次第。
全編を通じ、著者の独善的な言動に首をかしげてしまうこともあるものの、古き良き(?)時代の山ヤさん気質が伺え、総じて山岳関連書籍の好著との印象をもって読了した。
同書は先年BookOffにて入手したもの。現在、中公文庫の目録にもなく、絶版になっている模様。
北穂高小屋といえば、3年前の秋、槍に登ってそのまま大キレットを歩いた折、小屋のテラスで休憩させてもらったんでした。
2010年9月19日 北穂高小屋テラスから
その日歩いたルートの先に位置する槍ヶ岳の絶景、あのテラスからの眺めは最高やったなあ。
2013-07-07
穂高を愛して二十年 / 小山 義治
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