2012-02-29

ミッション・ソング / ジョン・ル・カレ

ミッション・ソング (光文社文庫)ミッション・ソング (光文社文庫)
ジョン ル・カレ John Le Carr´e

光文社 2011-12-08
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ル・カレの新作が訳出されていた。とはいえ、本国での出版は2006年であるよう。
そういえば、私の手元にある前2作は購入したものの積ん読状態だったか。本作は如何に。

上下巻の構成ではなく1冊で完結、この分量はル・カレらしくないなあ、との印象を抱きつつ読み進めると、いつになく読みやすかったりするので更にらしくない・・・、うーんどないなもんやろう。

大国の繁栄の陰でないがしろにされている途上の国やそこに住む人々、救いの手を差し伸べるかのごとく進められるミッションは虚飾に満ちた陰謀だった。その出自から事態に立ち向かわざる得なくなった主人公の心象にはちょいとウルルときますね。

読了してみるとやっぱり面白い。先進国の不誠実さを嘆き告発するかのごとく、オモシロ国際謀略スリラーとして昇華している。
これ、正真正銘ル・カレでありますよ。

2012-02-19

今年も天狗岳へ おさらい山行

積雪期の天狗岳は昨年の1月に続き2回目。
昨年6月の無雪期にも訪問しているので通算3回目となる。

昨年1月は会の初級対象の山行。先月仙丈ヶ岳山行を先導いただいたベテランの先輩に率いられ、初の冬季高山を体験したのだった。
本年はおさらいするべく独自に冬季天狗岳山行を目論んでいたところ、会の雪山教室を受講したもののまだまだ初級な面々の発起もあって早々に宿願(大袈裟な)を果たすことができた。

前回は、初日に天狗岳に登頂し、翌日は中山峠からピラタスロープウェイまで北八を縦走したのだか、今回は渋の湯~天狗岳ピストンという行程とした。

18日朝、渋の湯から歩を進め黒百合平到着後、直ぐに幕営。
そのまま天狗岳に向かいたかったが、周囲を見渡せば曇り空で風の動きも尋常ではなさそう。
本日の登頂は見合わせることにして寒さをしのぐべく黒百合ヒュッテに転がり込み、しばし飲食しながら歓談。
どうしても時間を持て余してしまうので、様子見と散策がてら中山峠まで赴く。


中山峠では天狗岳とは逆方向に少し登ってみると、ちょうどガスが切れて東天狗と西天狗の双耳峰が眺めやれた。
吹き荒ぶ風に雪煙が舞い上がる様子には、気分も一気に凍るよう。
それでも、そんな厳格な光景がとてつもなく美しく感じられたり。

19日は気象担当の観測が見事的中、早朝からこれ以上臨むべくもない好天に恵まれ、総員嬉々として天狗岳登山を楽しんだのでした。


アイゼンを装着し、ピッケルを持ってテン場を後に、中山峠に向かう。
絶好の快晴に期待は膨らむばかり。

中山峠にて、サングラスかゴーグルを装着することを促して、天狗岳方面に。


中山峠から天狗岳方向に進み仰ぎみると、東天狗が。

最初の樹林帯を過ぎ、少し登ると展望が開けまして、


北アルプスが。


東天狗、西天狗の双耳峰が一目瞭然に。


稜線を登り往き一休み。向こうに見えるのは浅間山。


北八の先には特徴的な山容の蓼科山が。


先ずは東天狗山頂に。


南八 from 東天狗
八ヶ岳主峰、赤岳に隠れて、今回は富士のお山が拝めず。


東天狗岳山頂
前回、頂上あたりは岩が露出してましたからね。昨年1月に比べ2月ともなるとやはり積雪量は多し。
しばらくして西天狗へ向かう。


西天狗への登り。


西天狗岳山頂
こちらも積雪量は多し。前回、山頂の標柱はこんなに埋もれてなかったしね。


南アルプス from 西天狗
比較的近くに位置することもあり、鳳凰三山、北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、そんな南アルプスの連なりは他の山域にも増して圧巻、剣呑かつ荘厳な雰囲気を漂わせ濃青色の背景に一際ひきたつ。
そう、先月はあちらの一角からこちらを眺めてたんやなあ、なんて思い至ると少しばかり誇らしい心持ちに。
来季はあちらをおさらいせねば。


中央アルプス from 西天狗


御嶽山 from 西天狗


乗鞍岳 from 西天狗


北アルプス from 西天狗


下山すべく東天狗方面に戻る。


下山途上、西天狗を見やると、私等がつけた下りのトレースがちゃんと視認できます。


黒百合平に帰還。昨年に引き続きとなるもやはり面白かった。

この季節でも登山者が多いのは比較的とりつきやすいため、この日のような好天に恵まれればなおさら。それでも、昨日は天候が優れず、登頂を断念した人も多かったよう。2年続けてラッキーであった。

入山時に抱いていた厳冬期山行の不安も、万事順調に進捗し、杞憂に終わったことが何よりも喜ばしい。
来年も行きますか。

2012-02-06

Charlie Parker Complete Masters 1941-54

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Charlie Parker

Universal Import 2011-11-15
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チャーリー・パーカーの13枚組限定ボックスセット、先のMiles同様格安だったので入手することに。

こんなのが出ると気づいたのが昨年11月半ばだったか、初見はamazonなるも、他も併せれば安くつくようなのでhmvにオーダーし、発売延期や何やかや届いたのは12月半ば。
hmvページの表記によれば仏やけど一応Universalレーベルとあるから正規レーベル重視の我が規範には合致している。

内容は別ディスクで持っているものばかり(のはず)なので、手元にあれば何時でも聴けるとそのまま放置、先ごろ思いついて取り出してぼちぼち聴き始めている。

ブックレットに記載されている曲のリストを眺めてみると、ディスコグラフィーと見比べてみたわけではないものの、どうやらスタジオ録音のマスターテイク集で、savoy、dial、verveといった主用三大レーベルは網羅されているよう。

最初の方のはリーダー録音ではないし、ながら聴きでとするも・・・、ひとたびアルトのソロが始まるともういけません、瞬時に全身全霊をかけて耳に届くアルトの音色に集中することとなってしまう。
やはり今聴いても初めてパーカーの真価に目覚めた際と印象は変わらず。唯一無二のアドリブは瞬間芸術の粋、美の結晶、たちまちに感じ入ってしまう。