2012-11-24

プレ積雪期の赤岳へ

この度も、何とか時間を捻出できそうな気配。
幸せな積雪期の到来を前にして、さて、何処へ赴こうかしら。

まだ、ほとんど踏み入れていない奈良方面が魅力的、比良や伊吹、霊仙方面なんてのもよろしいか、などとあれこれ迷うことしきり。

で、何がきっかけだったか、予定日の前々日になって、急遽、脳裏に去来する様々な山域を押し退けて同山域への案が浮上する。

近くはないので、同地までの交通手段が果たして確保できるのかと、試しに検索してみると、あっさり可となった。
毎度のことながら、直前に抱きがちな躊躇する想いを除けば、決行を妨げる要因はなし。
そんな後ろ向きな邪念は断ち切り、今季早々、好天のもと、新雪をフミフミしてきましたよ。



前夜発のツアーバスで降ろされたのは松本インターを付近の駐車場で1:30頃。
徒歩でJR松本駅に移動するも、2時過ぎ早々の到着となる。
どちらかで、仮眠できぬものかと構内をウロチョロしてみると、駅の一角にプロの路上生活を過ごす方や酔っぱらいと共にシュラフに包まる完全冬山装備の方々がおりましたね。
シュラフ持ってくればよかったなあ、と悔やみつつ、側に座り込み目を閉じる。
寒さにいたたまれず、目を覚ました頃には1時間半が経過していた。
駅前のコンビニで行動食を購入し、松屋で朝食を済ませ、高尾行始発を待つ。

6時過ぎにはJR茅野駅到着、しばらくして到着したバスに乗換え美濃戸口に着いたのは7時過ぎ頃。


今年もまた、美濃戸口へやって来ました。
間違いなく、今年最後の高山行となりましょう。


美濃戸山荘手前あたりで、そろそろ見えてきました。


美濃戸山荘に至り被服調節がてら一休み。


今回は、前夜発日帰りを目論んでいるため、行者小屋へ直行すべく南沢のルートを往きます。


歩き始めると直ぐに日常では見えることがない風景に身を置く。
直ぐ様、心地良い気分に。


地を覆う白いものがチラホラしてます。


凍結箇所が多々あり。
登りではアイゼンをつけるほどではないなあ、としつつもやはり歩き難くはある。


南沢ルート中盤からは雪に覆われてしまうものの、つけられたトレースは明確。


そろそろ山の連なりが見えてくる。
行者小屋までは、あと一息。


行者小屋に到着。
おおっ、麗しい。

登るか否かは、行者小屋到着時の判断としていたものの、見上げてしまうともういけません。
まあ、時間的には余裕あり、雪山の基本装備は担ぎ上げているので問題なし。
何よりも天候が申し分ない状況なので、そそくさと支度をば。

アウターを羽織り、ピッケルを取り出して、アイゼンを装着。
アリートグラブと予備のオーバミトンを持参しているものの、寒さはそこそこと判断、オーバミトンのインナーに使用しているBDの手袋のみとした。
ゴーグルやなくサングラスでOKやろう、バラクラバもいらんね。


当初予定していた地蔵尾根からではなく、無理のないよう文三郎ピストンすることとした。


文三郎尾根のコースを登り往きます。


しばらく登り行けば、行者小屋を見下ろすことに。


あの難儀な階段も雪に埋もれて。


阿弥陀岳がくっきりと眺めやれる。
なんとも麗しい。
しばし見惚れてしまう。


視線を転じれば、ごっつい迫力で赤岳山頂部が迫りくる。
うーん、あんな所まで登れるのかい。


その先には、横岳の稜線が剣呑かつ麗しく連なる。




赤岳と中岳・阿弥陀岳の分岐に到達。


そうこうする内に、あんなところからガスが漂ってきて、眺望が少しずつおじゃんになってくる。


こんな時期でもけっこうな人が登ってきますなあ。


小休止の後、更にあちらへ登り往きます。


キレット、権現岳方面はガスに覆われ、眺望はわや。あらら〜。


やっとこさ赤岳山頂とキレットの分岐に至る。あと一息。


赤岳山頂着。
ガスにまかれて眺望はアウト。やはり、登頂者はさほど多くない。
赤岳山頂に至る手前まではそんな気配もなかったはずなれど、山頂ではガスが立ち込め、昨夏に続き眺望はアウト。
硫黄岳や3度赴いた天狗岳ではいずれも晴天でしたなあ。
どうも、赤岳とは相性がよろしくないのかも。


赤岳山頂にて。

頂上で写真撮ったり、ウロチョロしてるうちに心持ち冷え込んできたような感じ。
あまりゆっくりもしてられんね、下山を急がねば。


行者小屋に戻って、軽雪山モードに再調整。


下山してしばらくすると、山頂あたりのガスもとれてきまして・・・、ハァ~。

美濃戸口へ往路を辿ってお終い。

こちらの山域は既にそれなりの積雪量、普通に雪山だったりし、今季、早々に雪山登山を満喫することと相成った。

文三郎からだと、頂上手前あたりが少しばかり難所であることは昨夏の山行で知悉するところであり、雪がついていると少々厄介かな、としていたが登下山時とも、手間取ることはなし。
まあ、一歩踏み外してしまうと限りなくアウトって領域にハマるわけだが。

前夜発とはいえ、そこそこ齢を重ねた身にとって、関西から日帰りというのはとても慌ただしく、しんどいものであった。
それでも、独力でプレ積雪期の赤岳登山を完遂できたことの満足度は大きい。
面白かった。

2012-11-14

谷川岳に逝ける人びと / 安川 茂雄 著 遠藤 甲太 編

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これまで、大きな書店に赴く度、チェックするも見出すことができずにいた。
Amazonならと検索してみると、中古本でなら入手できるよう。
なるほど、既に絶版なのかい。

先日、某書店の平凡社ライブラリーの並ぶ棚に発見、即、購入。

今月は山関係で何やかや散財気味だったりすることもあり、本一冊とはいえ、吟味が必要なはず。
でもまあ、せっかく手に取ることができた同書を外すわけにはいきませんわね。

入手の動機は、佐瀬稔著「喪われた岩壁―第2次RCCの青春群像」の副読本的な意味合いってこと。
同書の著者 安川 茂雄 にも多くのページが割かれていましたからね。
読む時間が取れず、まだ、冒頭の章に目を通すのみなるも、どっと引きこまれてしまって、どうもいけません。
今週も寝不足な日々が続くかと思うと、ちょっとしんどい。