2012-04-30

裏切りのサーカス

シネ・リーブル神戸で鑑賞してまいりました。

映画『裏切りのサーカス』公式サイト

ル・カレのファンやしわからんことはないけど、なんでこんなタイトルになるかな???

事前に原作を再読しましたから映像化の様はより明確に。
むしろ読み直さず、うろ覚えで臨んだ方が良かったかも。
兎にも角にも、文句なし完璧映画化でございますなあ。感動感動!!

ゲイリー・オールドマンのスマイリーは悪くないし、ジョン・ハートを見るのはホンに久方ぶり。
勢揃いした名優陣のせめぎあい、必然、緊迫感は尋常ではない。
ああ〜、しんどかった。

かつて、原作に親しんだことがある方は必見ですぞい。
是非とも続く2作も、この面子でお願いしたいもの。

2012-04-29

向山

以前から気になっていた向山に登ってみようと、丹波市氷上町へと。 宝塚からJR福知山線に、篠山口駅にて更に乗り換えJR石生駅下車。


途中の展望スペースより。
見下ろした先にある水分れ公園は、本州一低い分水界に位置していているのだと。
そういえば、乗鞍岳の剣ヶ峰が最高所でしたかな。


向山山頂(?)から。
北東方面になるのでしょうか。曇っているので遠望はきかず。
田舎ののどかな風景にはほっこりとした気分にさせられます。


向山といえばヒカゲツツジだということで、時すでに遅しを前提に来季の下見くらいのつもりで訪れたのですが、どうしてどうして、まだまだいけてました。

2、30分もあれば最寄り駅に至る六甲山域の山に終始しがちではあるけれども、こんないい山もあったりしますから、郷土兵庫の山をもう少し研究し、足を向けんとあきませんね。

2012-04-25

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ / ジョン・ル・カレ

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)
ジョン ル・カレ 村上 博基

早川書房 2012-03-31
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公開は先週土曜日からなので、直ぐ様映画館に駆け込みたいところ。
されどされど、気が急いてしまうものの、モノがモノだけに慎重に処したいとは大袈裟に過ぎるというものか。

再読してからどれだけ経ったろう。
オチは記憶しているが細部は危うい、いや今となっては全編通してかなり朧気である。それでは不味い。

マクリーンやフレミングの作品群に浸っていた頃、大の大人の読物として恐る恐る手にしたのが本書。
前半はとっつきにくかったりしたが、中盤よりはページを繰るのももどかしく、読了時はしばし茫然自失、かつてない至高の読書体験となった。若かったからね。
以来、このジャンルのものを数多読み、その都度楽しんではいるものの、未だ本書を含めたスマイリー三部作を越える作品には巡りあっていない。

いい機会なんであの興奮と感動を今一度、至福の時を過ごすべく三度の読了へと書棚を引っくり返すも…出てこない。
続く二作品、「スクールボーイ閣下」と「スマイリーと仲間たち」はあるのに…。他の場所を探すもダメ。
で、絶版になっているのが映画公開にあわせて復刊、店頭に並んでいるのはわかっていたから、渋々購入。

最近購入する頻度が少ない早川書房の文庫は、一昨年くらいからだったか、丈が少し高くなっている。
なるほど、新訳であるのか。
装丁のビジュアルも、以前の小物をモチーフにした辰巳四郎さんによるものとはえらく雰囲気が変わっていますね。でも、これではそのものというかリアルすぎるのでは、どうもいただけない。
文字が大きくなっているのは大歓迎。いやまあ、この年になると有難いことこの上なし。

当方も齢を重ね、ええおっさんになってますから、正直、初読した時ほどの感慨は抱けなかったものの、本三部作を凌駕するような書物には生涯見えることがないことをあらためて確信した次第。やはり面白い。

ティンカー(鋳掛け屋)、テイラー(仕立て屋)、ソルジャー(兵隊)、プアマン(貧者)、ベガーマン(乞食)と暗号名を付す。
ベガーマンはスマイリーなんで除外、いずれがもぐらか。
カーラとの対決第一章の本作は、所謂フーダニットなんですね。

それでは、映画館へ赴きますか。
アレック・ギネスのも見たことないけど、ゲイリー・オールドマンのジョージ・スマイリーってどんなんやろう。ちょいとイメージが違う。
Wikipediaを参照、ゲイリー・オールドマンってイギリス人でしたか。ずっとアメリカ人やと思ってましたから、それなら許せるかも。

余談ですが、Wikipediaのゲイリー・オールドマンの項に「2001年、『ハンニバル』でハンニバル・レクターの宿敵メイスン・ヴァージャーを演じた。」との記載があります。
やっぱり。公開時の初見の時より、きっとそうやとは思っとりました。いやあ、溜飲が下がったかのような感じ。

2012-04-13

新編 山靴の音 / 芳野 満彦

新編 山靴の音 (中公文庫BIBLIO)新編 山靴の音 (中公文庫BIBLIO)
芳野 満彦

中央公論新社 2002-04
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新田次郎の小説は読んでおりませんが、この2月に他界されたとの報道を目にしたのを契機に、以前に入手し積読だったのを先日読了す。

本書は登山家でありRCC IIの創立同人である芳野満彦さんの著作を編集したもの。
八ヶ岳での遭難の顛末に始まり、国内での初登攀行記、冬季徳沢での小屋番生活、「詩と散文詩」(とある。イラスト数点)?、ヨーロッパ・アルプスでの登行記、からなる。

高校2年の冬、八ヶ岳登山にて遭難し、同行の友人は死亡。九死に一生を得るものの凍傷により両足指を切断する羽目に。 しかして、その後も登山への情熱はやまず、冬季徳沢の小屋番生活を送りながら国内の岩壁でいくつもの初登攀達成の後、日本人初のマッターホルン北壁登攀を成し遂げる。

そんな栄光のプロフィールから勝手にイメージしてしまう勇壮感あるいは悲壮感みたいなものは、本書の軽妙な筆致からは微塵も感じられず。
その軽い文体からは、このクライマーの本質を見失いそうになるのだが、ある意味ハンデを負いながらも、常人以上の登攀を数多く果たしているわけで、何とも凄い御仁であったことか。

前穂高四峰正面岩壁項の「登攀を終えて」にある一文にはグッときてしまいましたね。
また、「喪われた岩壁」にても取り上げられていた冬季北岳バットレス中央陵登攀のエピソードが、筆者独自の視点で綴られているのが興味深い。
面白い読みものでありました。
続いては本書でもパートナーとして頻繁に登場する吉尾弘さんのにしておきますか。

2012-04-08

福寿草




春の妖精、スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)の可憐な姿をどうぞ。