2012-04-25

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ / ジョン・ル・カレ

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)
ジョン ル・カレ 村上 博基

早川書房 2012-03-31
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公開は先週土曜日からなので、直ぐ様映画館に駆け込みたいところ。
されどされど、気が急いてしまうものの、モノがモノだけに慎重に処したいとは大袈裟に過ぎるというものか。

再読してからどれだけ経ったろう。
オチは記憶しているが細部は危うい、いや今となっては全編通してかなり朧気である。それでは不味い。

マクリーンやフレミングの作品群に浸っていた頃、大の大人の読物として恐る恐る手にしたのが本書。
前半はとっつきにくかったりしたが、中盤よりはページを繰るのももどかしく、読了時はしばし茫然自失、かつてない至高の読書体験となった。若かったからね。
以来、このジャンルのものを数多読み、その都度楽しんではいるものの、未だ本書を含めたスマイリー三部作を越える作品には巡りあっていない。

いい機会なんであの興奮と感動を今一度、至福の時を過ごすべく三度の読了へと書棚を引っくり返すも…出てこない。
続く二作品、「スクールボーイ閣下」と「スマイリーと仲間たち」はあるのに…。他の場所を探すもダメ。
で、絶版になっているのが映画公開にあわせて復刊、店頭に並んでいるのはわかっていたから、渋々購入。

最近購入する頻度が少ない早川書房の文庫は、一昨年くらいからだったか、丈が少し高くなっている。
なるほど、新訳であるのか。
装丁のビジュアルも、以前の小物をモチーフにした辰巳四郎さんによるものとはえらく雰囲気が変わっていますね。でも、これではそのものというかリアルすぎるのでは、どうもいただけない。
文字が大きくなっているのは大歓迎。いやまあ、この年になると有難いことこの上なし。

当方も齢を重ね、ええおっさんになってますから、正直、初読した時ほどの感慨は抱けなかったものの、本三部作を凌駕するような書物には生涯見えることがないことをあらためて確信した次第。やはり面白い。

ティンカー(鋳掛け屋)、テイラー(仕立て屋)、ソルジャー(兵隊)、プアマン(貧者)、ベガーマン(乞食)と暗号名を付す。
ベガーマンはスマイリーなんで除外、いずれがもぐらか。
カーラとの対決第一章の本作は、所謂フーダニットなんですね。

それでは、映画館へ赴きますか。
アレック・ギネスのも見たことないけど、ゲイリー・オールドマンのジョージ・スマイリーってどんなんやろう。ちょいとイメージが違う。
Wikipediaを参照、ゲイリー・オールドマンってイギリス人でしたか。ずっとアメリカ人やと思ってましたから、それなら許せるかも。

余談ですが、Wikipediaのゲイリー・オールドマンの項に「2001年、『ハンニバル』でハンニバル・レクターの宿敵メイスン・ヴァージャーを演じた。」との記載があります。
やっぱり。公開時の初見の時より、きっとそうやとは思っとりました。いやあ、溜飲が下がったかのような感じ。

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