2011-10-30

芦屋川から最高峰経由有馬まで、歩荷をば。

母の七回忌が迫り、その準備で山行はしばらく休止状態なのだが、本日ばかりは近場で歩荷をば敢行。
20kgほどを担いで芦屋川から最高峰を経由して有馬まで。正確には一軒茶屋まで、そのまま有馬へ下ったんですけどね。

当初は有馬から折返しピストンもしくは最高峰から宝塚駅までを予定していたものの、途中から雨が降り出したこともあり、有馬までとする。
温泉に浸かってバスで宝塚まで。

お誘いいただいたアルパインクライミングを嗜む方は同じように担いでいても(実はもっと重かった模様)流石に早い。
申し訳ないなあと思いつつ、登りは自らのペースを維持するよりはなし。

まあ、追い抜いた数多のハイカーらにも、後続で同じように歩荷していた他所のパーティにも追いつかれることはなかったのだから、それなりに歩けているはず、と自らを励ましつつ歩を重ねたのでした。

2011-10-23

喪なわれた岩壁―第2次RCCの青春群像 / 佐瀬 稔 (著)

喪なわれた岩壁―第2次RCCの青春群像 (中公文庫)喪なわれた岩壁―第2次RCCの青春群像 (中公文庫)
佐瀬 稔

中央公論新社 1999-06
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本日は散らかし気味の雑誌や書籍の整理をば。
先々月の山渓(9月号ということ)の特集はなるほど「谷川岳」だったか。関西人からすれば群馬県は遠き果て、百名山完登を指向しているわけでもなく、個人的には興味の範疇から外れていて、購入したもののほとんど目を通していなかった。
バラバラとページを繰っていると、とあるページに記された名前と写真が目に留まる。先だって読了した文庫本「喪われた岩壁」に登場する松本龍雄という方、掲載された記事は短いものながら読み進めていくとちょいと胸が熱くなってきた。

戦中戦後の荒廃期、自らのアイデンティティを表出すべく、命懸けで未踏の岩壁に攀じりルートを切り開いていくことに情熱を傾けた市井のクライマーたちの熱い熱いお話。一途で不器用、ルサンチマンな空気が漂う青春群像はやがて日本山岳会主体の権威的な登山界に変革をもたらす。

読み進むにつけ、夢枕獏の「神々の山嶺」にて羽生丈二が発するかの台詞が思い出される。
「これしかなかった。他の奴等みたいに、あれもできて、これもできて、そういうことの中から山を選んだんじゃない。これしかないから、山をやっているんだ。」(そういえば、今月の山渓にも載ってたなあ)
そんな台詞がしっくりくる時代の雰囲気が全編に満ちていて、登場する町の山岳会に属するクライマーたちの様々なエピソードには涙してしまうことも少なくない。

岩登りは畏れ多くて、門外漢ですから技術的な面では理解の及ぶところではないけれど、この本は頗る付きに面白かった。

で昨今は、ここに登場する方々の著作を収集すべく古書店を巡ったりしている。
一昨日、近くの古書店で「わが岩壁」古川 純一(著)を入手。中公文庫版ではなく、山渓から昭和40年に発刊されたものである。

2011-10-21

Tutu: Deluxe Edition / Miles Davis

Tutu: Deluxe EditionTutu: Deluxe Edition
Miles Davis

Warner Bros UK 2011-06-06
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TUTUのデラックス・エディションなんてのも出てましたので、一緒に。

当時、ワーナー・ブラザーズ移籍後、最初にリリースされたアルバムで、新たにリマスターされているようだが、こちらも同セッションでの未発表テイクなどはなく内容はそのまま。
何がデラックスなのかといえば、1986年ニースでのライヴ未発表音源を収録したディスクが1枚付いているってこと。これに惹かれてしまった。

とはいえ、数多集めたブート盤にも同様の面子のものがあったと記憶するので、既に同じ音源を持っているのかも知れない。まあ、正規レーベルからのリリースということで、音はこちらの方がいい・・・はず。

TUTUとえば、マーカス・ミラーが作成したベーストラックに、マイルスがペットを被せただけのサンプリング・サウンド手法がなされた代物。Jazz的にはそんなのは☓であるよなあ、との印象はさておき、そこはマイルス・ミュージックということで、当時も発売当初より頻繁にプレーヤに放り込み聴き倒し、ファンク色満載の音曲に身を任せていれば、いつの間にやら忘我の境地に。未だ愛聴していたりする。

TUTUというアルバムでマイルスが志向したのはダンス・ミュージックだったとか。数多あるマイルスのアルバム中、POPで耳障りが良いサウンドの最右翼でありましょう。もっとも一般人には解し難いかも知れないけれど。

Perfect Miles Davis Collection

マイルスに関しては、没後20年、そろそろ未発表音源も尽きた、との感があって、新譜を検索する頻度は少なくなっていた。
久方ぶりにamazonで miles davis と検索しみると、こんなのが。



ソニーのサイトを参照してみると、
マイルスの偉大な足跡をたどる20作品が、豪華ボックス、手頃な価格でお手元に![EU輸入盤]
今年9月28日に没後20年を迎えるマイルス・デイビスの主要アルバム20作品を、それぞれLPリリース時のレプリカ紙ジャケット化し、ディスコグラフィ付きの30ページに及ぶブックレットとあわせて豪華ボックスに収録。ボックスセットを初めて手にされる方にも、大変お求めやすい価格でご提供致します!」
などとある。

なにを今更・・・、それにこの「大変お求めやすい価格」とは何だ、マイルスに関してはこれまでどれほど費やしてきたことか(怒)・・・、しかしてしばし思案・・・。で、ポチッとやってしまった。

全てのアルバムではないものの、当時、LPで揃えていたものをCD化により買い足し。リマスターされ紙ジャケで再発された折も、更に買い足し。そんなことが幾度も繰り返されて・・・、きりがないので何時の時点かで頓挫。
それで平安の日々となるはずであったが、マイルス没後の未発表モノの攻勢、特にブートもの、は凄まじくあれこれ買い漁って幾星霜、これもどこかの時点で止めてしまった。
とはいえ、CBSからボックスセットが発売されれば、それなりに手を出してましたからね。やはり止むことはなかったけれど。

なので、本ボックスセットには未発表音源が追加されているわけでもなく内容については全く新鮮味なし、代表作として選ばれた20枚というのも ? って感があるものの、コロンビア後期(この頃はCBSやったかな?)の「ウィ・ウォント・マイルス」、「スター・ピープル」、「デコイ」については、所有するのが最初期にCD化されたものだったため、機会があればリマスターされたものを入手しようとしてましたんでね、まあ、そうした次第。
また、もうミムラさんのお店でオーダーできないのが残念ではある。

【収録アルバム】


1 'Round About Midnight (1957)


2 Miles Ahead (1957)


3 1958 Miles (1958)


4 Porgy And Bess (1959)


5 Kind Of Blue (1959)


6 Sketches Of Spain (1960)


7 Someday My Prince Will Come (1961)


8 Seven Steps To Heaven (1963)


9 Miles In Berlin (1965)


10 ESP (1965)


11 Miles Smiles (1967)


12 Nefertiti (1968)


13 Filles de Kilimanjaro (1969)


14 In a Silent Way (1969)


15 Bitches Brew 2 CDs (1970)


16 A Tribute To Jack Johnson (1971)


17 On The Corner (1972)


18 We Want Miles 2 CDs (1982)


19 Star People (1983)


20 Decoy (1984)

届いてより早々にiTunesに(既に取り込んであったアルバムは一度削除して)取り込み、iPhoneへ。まだ、全て聴き終えてはいない。
「ラウンド・ミッドナイト」や「カインド・オブ・ブルー」なんてのを通して聴くのはおそらく十数年ぶりのこととなるかな、やはり悪くない。

それにしても、マイルスの音を聴くにつけ、先だって亡くなられたミムラさんのことが想いだされる。無理もない、手持ちのマイルスのディスクは、ワルツ堂時代も併せて、ほとんどミムラさんから入手したのだった。
秋の夜長、ミムラさんを偲びつつ、マイルスを聴きなおすのも悪くなかろう。

Perfect Miles Davis Collection (20 Albums)Perfect Miles Davis Collection (20 Albums)
Miles Davis

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2011-10-10

鳳凰三山を巡る



先週の空木岳が本年度の甲信越地方への山行は最後、と考えていたものの、今週末も天候は良好であるよう。急遽、2週続けて眺めやった彼の地へ赴くこととする。

8日夜高速バスで大阪を発ち、翌早朝、JR韮崎駅前下車。鳳凰三山路線バスにて青木鉱泉へ。


青木鉱泉に設置された登山ポストに山梨県警HPページにて作成した登山届(前日、ネットで提出済)を投函してから出立。
ドンドコ沢コースより滝を巡って鳳凰小屋を目指す。

南精進滝を過ぎたあたりから急登が始まる。
防寒の装備をあれこれ詰め込んでしまうとザックの重量は20kgほどに、長く続く急登はしんどかった。


途上最後に位置する五色の滝。こちらがもっとも見事でした。


9月にもこちらへのテント泊山行を思案したが、かなり混み合うようで断念した経緯がある。
まあ、この時期であれば鳳凰小屋テン場も混雑することはあるまいと余裕かまして滝への立ち寄りを敢行、着いてみればけっこう混み合っています。
小屋のご主人自らがスペース確保のため、区画整理すべく出張っておられました。

幕営後、地蔵岳をピストンしようと考えていたが、あいにく周囲はガスっていることもあり、本日はここまで。そのままビアタイムとする。

10日早朝より行動の準備を始め、明るくなる頃にテントを撤収、一夜を明かすもさして重量減少のないザックを担いで出立。
本日は快晴。これより三山を巡って、夜叉神登山口へ下山する。


登り始めて早々、地蔵岳(2764m)のオベリスクが視界に入ってきます。
おおっ、これが見たかったのよ。


オベリスク頭頂部直下へ至りザイルを手にしてしばし逡巡、やはり頭頂部への登頂は取りやめとした。
周囲をグルッと巡り、360°の景観を堪能。


7月に登った甲斐駒ケ岳が眼前に。右肩あたりには、北アルプスが。槍や穂高、遠く立山や劔も視認できましたね。
仙丈ガ岳や白峰三山、南アルプスの山々、八ヶ岳、富士山もね見事でした。


賽の河原、赤抜沢ノ頭を経て観音岳(2840m)へ。


けっこう歩いてきたなあと振り返る。やはり絶景。


from 観音岳
地蔵岳で稜線に至ってより、富士のお山はずっと見えていました。


from 観音岳
甲斐駒ケ岳と仙丈ヶ岳


from 観音岳
北岳の眺望が抜群。
そういえば、昨年8月はあちらから、地蔵岳のトンガリを眺めやっていたなあ。また、北岳に登りたくなってきた。などと考えながら、薬師岳へ向かう。

進行方向に富士のお山を、右手に北岳を眺めやりながら進みます


薬師岳(2780m)山頂にて。
三山を巡るのはこれにて終了。後は夜叉神峠に向けて下りに下るのみ。


薬師岳小屋より先に進んでより下りの道行は樹林帯の中やけど、たまにビューポイントあり。


なるほど、夜叉神峠からの白峰三山も見事ですね。


夜叉神峠登山口に到着。お疲れ様でした。
乗合タクシーに乗車、JR甲府駅に。

若干小振りな印象はそのまま、天候に恵まれたこともあり、鳳凰三山は思いの外よいところでありました。

高峰ではそろそろ降雪の時期へと移行しましょうから、今年の甲信越地方での山行はこれにてお開き。
6月初旬の八ヶ岳に始まり、夏山の時期を迎え今回の山行まで、
八ヶ岳2回、北アルプスは剱岳2回+立山三山、西穂に焼岳、中央アルプス2回、南アルプス2回、
一泊二日の山行のみとなったが、我ながらよう頑張ったなあと。
また、一度も涸沢方面へ赴くことが出来なかったのが心残りではある。
来年は先ず、西穂-奥穂間を完歩すべし。

ヤマレコへの投稿はこちらから。 好天に恵まれご機嫌な鳳凰三山行

2011-10-06

Thank You Steve !

 

初めてMacオーナーとなったのは、福岡に在住していた折、35才だった。
Power Mac 7100、OSは漢字トーク7.5。当初、メモリは16MBしか積んでいたなかったけれど、世の中にこんな面白いものがあったのかとある意味、驚天動地の想いに。様々に遊べましたなあ。

以来、常に複数台のMacを所有していましたし、新OSの登場時には必要ならハードの更新も含めていつも早々にバージョンアップしてみたり、アップルにとっては、それなり良いお客さんだったのでは。

 現在はiPhoneでかなりな部分事足りてしまうこともあり、27インチのiMac1台のみで済んでおりますね。

近い将来、パーソナルなコンピュータは衰退し、iPhoneやiPadが取って代わるのだろう、最後にはそんな将来像をも想起させられました。
これまで、とてもとても面白かったよ。Thank You Steve !

2011-10-02

錦繍の空木岳へ

先週に引き続き、中央アルプスは空木岳へ。


圏谷北側稜線と空木平への分岐、


早速に樹々の合間から空木岳が顔を覗かせます。


空木平から空木岳を臨む


本日は空木平避難小屋泊とします。 私ら4人と和歌山の山岳会のパーティーの方々、6人だったか。それと単独の方がお一人。
個人的には避難小屋泊は初めて。


それでは、空木岳山頂へ。




空木岳は錦繍の趣。


駒峰ヒュッテのテラスで一休み、


というか、あまりの絶景に思わず足踏みすることに。
御嶽山もすぐそこにあるよう。


from 空木岳(2864m)山頂
視線の先には南アルプスの連なりが。素晴らしい。


先週訪れた木曽駒ヶ岳界隈も望見できます。


駒峰ヒュッテでお茶して更に景色を堪能後、圏谷北側稜線を下って分岐へ。
空木平避難小屋へ戻る。

翌早朝、小屋を発ち、分岐から圏谷北側稜線を少し戻りあたりを散策。今一度、この上ない景観を楽しみ下山したのでした。

紅葉と何とも味わい深い空木岳の有様にとことん魅了され、先週にも増して大満足の山行となりました。

ヤマレコへの記載はこちら。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-138787.html