2012-12-24

2012年最終 またまた赤岳

先月末の赤岳で本年の高峰は終了のはずだった。
しかして、年末の連休があり、その気になれば何処かへ行けそうなので、会のメンバー二人と共に計画を練る。
で、当初は昨年末、叶わなかった西穂独標へ赴くこととしていたが、天候が厳しそうなので、急遽変更。
北アルプスと違ってやや内陸部の八ヶ岳なら少しはマシ?先月末、登ってきたばかりなれど、まあ良いか、ってなもんです。

例によって、高速バスで松本へ。
始発で茅野に移動、路線バスにて美濃戸口に。


今回は南沢を辿り赤岳鉱泉へ

今回同道したのは、会でも希少の20代のお兄ちゃんと強靭な40代アルパイン予備軍のメンバー。
本年はテント泊山行が少なく、トレーニングも不足気味の私めは、昨年同時期のように歩を進めることができず、彼らのペースに従っていると赤岳鉱泉に着いた時点でけっこう参ってしまった。
ヘタレやね。


赤岳鉱泉到着

今回はテント泊。
幕営してから、天気ももちそうなので、そのまま赤岳に向かう。

行者小屋に至り、時間的な余裕が微妙だったりし、前回同様文三郎ピストンの行程とする。
私はやはり遅れ気味。
先月に比べ、若干積雪量が多かったり。
文三郎コースの階段前後あたりは、雪質が柔らかでステップが形成されるほどではなく、一歩ずつ足元を固めるように登らねばならず、予想していた以上に時間を要することに。

あと少しで赤岳と阿弥陀岳の分岐ってところで、先行する二人が下りてきます。
キレットと赤岳山頂の分岐まで到達したものの、タイムアウトと判断して戻ってきた、とのこと。
なるほど、適切というか冷静な判断しよるなあ、などと思いつつ悪い冗談を、
「最悪、展望荘に泊まったらいいやん」
と嘯くが黙殺されてしまった。


この先でタイムアウトと判断


ここで撤退の図

赤岳鉱泉に戻り、小宴後早々に寝入る。
今回は、4人用テントに3人の構成。
3人だと定員不足で寒い思いをするかと予想するも、けっこう快適に過ごせましたね。


翌早朝の赤岳鉱泉

夜半降り続いたこともあり、積雪量は増した模様。
雪崩を警戒してというわけでもないが、モチベーションはイマイチ、再度のアタックって感じになれず、下山することに。


アイスキャンディーで遊ぶ人らを眺めつつ下山の途に

下山途上、美濃戸山荘にてアイゼンを外したのだが、美濃戸口まで凍結した路面に足を取られ滑りまくり。
美濃戸口手前で盛大に転んだ際、左太腿を強く打ち、その後2、3日痛みが残ったのだった。
やはり、赤岳は相性がヨロシクないのか・・・。

2012-11-24

プレ積雪期の赤岳へ

この度も、何とか時間を捻出できそうな気配。
幸せな積雪期の到来を前にして、さて、何処へ赴こうかしら。

まだ、ほとんど踏み入れていない奈良方面が魅力的、比良や伊吹、霊仙方面なんてのもよろしいか、などとあれこれ迷うことしきり。

で、何がきっかけだったか、予定日の前々日になって、急遽、脳裏に去来する様々な山域を押し退けて同山域への案が浮上する。

近くはないので、同地までの交通手段が果たして確保できるのかと、試しに検索してみると、あっさり可となった。
毎度のことながら、直前に抱きがちな躊躇する想いを除けば、決行を妨げる要因はなし。
そんな後ろ向きな邪念は断ち切り、今季早々、好天のもと、新雪をフミフミしてきましたよ。



前夜発のツアーバスで降ろされたのは松本インターを付近の駐車場で1:30頃。
徒歩でJR松本駅に移動するも、2時過ぎ早々の到着となる。
どちらかで、仮眠できぬものかと構内をウロチョロしてみると、駅の一角にプロの路上生活を過ごす方や酔っぱらいと共にシュラフに包まる完全冬山装備の方々がおりましたね。
シュラフ持ってくればよかったなあ、と悔やみつつ、側に座り込み目を閉じる。
寒さにいたたまれず、目を覚ました頃には1時間半が経過していた。
駅前のコンビニで行動食を購入し、松屋で朝食を済ませ、高尾行始発を待つ。

6時過ぎにはJR茅野駅到着、しばらくして到着したバスに乗換え美濃戸口に着いたのは7時過ぎ頃。


今年もまた、美濃戸口へやって来ました。
間違いなく、今年最後の高山行となりましょう。


美濃戸山荘手前あたりで、そろそろ見えてきました。


美濃戸山荘に至り被服調節がてら一休み。


今回は、前夜発日帰りを目論んでいるため、行者小屋へ直行すべく南沢のルートを往きます。


歩き始めると直ぐに日常では見えることがない風景に身を置く。
直ぐ様、心地良い気分に。


地を覆う白いものがチラホラしてます。


凍結箇所が多々あり。
登りではアイゼンをつけるほどではないなあ、としつつもやはり歩き難くはある。


南沢ルート中盤からは雪に覆われてしまうものの、つけられたトレースは明確。


そろそろ山の連なりが見えてくる。
行者小屋までは、あと一息。


行者小屋に到着。
おおっ、麗しい。

登るか否かは、行者小屋到着時の判断としていたものの、見上げてしまうともういけません。
まあ、時間的には余裕あり、雪山の基本装備は担ぎ上げているので問題なし。
何よりも天候が申し分ない状況なので、そそくさと支度をば。

アウターを羽織り、ピッケルを取り出して、アイゼンを装着。
アリートグラブと予備のオーバミトンを持参しているものの、寒さはそこそこと判断、オーバミトンのインナーに使用しているBDの手袋のみとした。
ゴーグルやなくサングラスでOKやろう、バラクラバもいらんね。


当初予定していた地蔵尾根からではなく、無理のないよう文三郎ピストンすることとした。


文三郎尾根のコースを登り往きます。


しばらく登り行けば、行者小屋を見下ろすことに。


あの難儀な階段も雪に埋もれて。


阿弥陀岳がくっきりと眺めやれる。
なんとも麗しい。
しばし見惚れてしまう。


視線を転じれば、ごっつい迫力で赤岳山頂部が迫りくる。
うーん、あんな所まで登れるのかい。


その先には、横岳の稜線が剣呑かつ麗しく連なる。




赤岳と中岳・阿弥陀岳の分岐に到達。


そうこうする内に、あんなところからガスが漂ってきて、眺望が少しずつおじゃんになってくる。


こんな時期でもけっこうな人が登ってきますなあ。


小休止の後、更にあちらへ登り往きます。


キレット、権現岳方面はガスに覆われ、眺望はわや。あらら〜。


やっとこさ赤岳山頂とキレットの分岐に至る。あと一息。


赤岳山頂着。
ガスにまかれて眺望はアウト。やはり、登頂者はさほど多くない。
赤岳山頂に至る手前まではそんな気配もなかったはずなれど、山頂ではガスが立ち込め、昨夏に続き眺望はアウト。
硫黄岳や3度赴いた天狗岳ではいずれも晴天でしたなあ。
どうも、赤岳とは相性がよろしくないのかも。


赤岳山頂にて。

頂上で写真撮ったり、ウロチョロしてるうちに心持ち冷え込んできたような感じ。
あまりゆっくりもしてられんね、下山を急がねば。


行者小屋に戻って、軽雪山モードに再調整。


下山してしばらくすると、山頂あたりのガスもとれてきまして・・・、ハァ~。

美濃戸口へ往路を辿ってお終い。

こちらの山域は既にそれなりの積雪量、普通に雪山だったりし、今季、早々に雪山登山を満喫することと相成った。

文三郎からだと、頂上手前あたりが少しばかり難所であることは昨夏の山行で知悉するところであり、雪がついていると少々厄介かな、としていたが登下山時とも、手間取ることはなし。
まあ、一歩踏み外してしまうと限りなくアウトって領域にハマるわけだが。

前夜発とはいえ、そこそこ齢を重ねた身にとって、関西から日帰りというのはとても慌ただしく、しんどいものであった。
それでも、独力でプレ積雪期の赤岳登山を完遂できたことの満足度は大きい。
面白かった。

2012-11-14

谷川岳に逝ける人びと / 安川 茂雄 著 遠藤 甲太 編

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これまで、大きな書店に赴く度、チェックするも見出すことができずにいた。
Amazonならと検索してみると、中古本でなら入手できるよう。
なるほど、既に絶版なのかい。

先日、某書店の平凡社ライブラリーの並ぶ棚に発見、即、購入。

今月は山関係で何やかや散財気味だったりすることもあり、本一冊とはいえ、吟味が必要なはず。
でもまあ、せっかく手に取ることができた同書を外すわけにはいきませんわね。

入手の動機は、佐瀬稔著「喪われた岩壁―第2次RCCの青春群像」の副読本的な意味合いってこと。
同書の著者 安川 茂雄 にも多くのページが割かれていましたからね。
読む時間が取れず、まだ、冒頭の章に目を通すのみなるも、どっと引きこまれてしまって、どうもいけません。
今週も寝不足な日々が続くかと思うと、ちょっとしんどい。

2012-10-21

やっとこさiPhone5に更新



白馬から戻った翌週に予約がなり、やっとこさ私の順番がまわってきました。
2年ぶりにiPhoneを更新、iPhone4からiPhone5へ。

Mapはアホなんだそうですが、当面、GoogleMapに繋げばいいしね。
その使用感はといえばかなり快適。

気のせいかしら、音も更に良くなったように感じられますし、iPodとしても十分満足できてます。

2012-10-08

紅葉の立山と大日三山

奥大日岳は、積雪期最初の高峰として、一昨年の春山で登頂したのでした。
あの折は天候に恵まれるも、やはり雪山、見渡す限りの剣呑な風景と雪を纏った劔に終始目を奪われてましたね。
彼方まで続く山々は一面の銀世界、山は雪を纏った方が美しいのだなあと体感。
登頂することの困難さも併せて、とてつもなく面白い山行でありました。
以前より、無雪期にもとの想いはあったものの、果たせずに今に至る。
この度、やっとこさ取り付くことがかないました。


今年も室堂に来ることができました。


室堂に着いた時点で、立山三山頂上あたりの高度はガスに覆われておりましたが、紅葉を鑑賞するに支障なし。

立山については、地獄谷を経るルートは通行止めになってまして、みくりが池温泉のところからリンドウ池を回り込むルートで雷鳥沢へ向かうんですが、周囲を見まわすにつけ、紅葉が鮮やか過ぎて◯きそう、
いやケバい、いやいや・・・、表現が悪いけれどそんな感じです。
そらもう絢爛豪華っていうか、よくもまあこんなに色づくもんやなあと。


雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。


雷鳥沢キャンプ場を突っ切って剱御前と奥大日方面への分岐に向かいます。


沢を渡って。


剱御前と奥大日方面への分岐。
この分岐を左に進みます。


登りきったあたりが新室堂乗越。


奥大日が見えてきました。

しばらくすると、雲間から晴れ間も見え始め、新室堂乗越~室堂乗越~奥大日岳手前あたりまでは、気持良く稜線歩きを楽しめました。


室堂乗越あたりに至ると劔の勇姿が拝めるんですが、山頂あたりを覆うガスは途切れることなし。




ずっと進み往きますも、劔山頂あたりの様子は変わらず。


立山や浄土山も同じような感じ。


天狗平あたり。
アルペンルートのバス道が明瞭に視認できます。

この先あたりから、徐々にガスが深く立ち込め、眺望はおじゃん。


それでも悪いことばかりではありません。
奥大日岳山頂に至る手前で雷鳥の親子に遭遇する。
写真を撮ろうと近寄るも、逃げ出すこともなく、動じる気配なし。
人間慣れしてしまってるのかな、それってあまりイイことやありませんね。


奥大日岳山頂。
一昨年の春山では超弩級の快晴で、こちらから雪を纏った劔の勇姿を堪能したのだった。
今回は・・・。

奥大日岳を過ぎると更に雨も降ってきて、小屋へと急ぐより他になし。

とはいえ、悪いことばかりではありません。
中大日岳の手前で、再び雷鳥に遭遇。


中大日岳山頂。
ガスに加えて雨にも打たれ、わけがわからない状態に。



大日小屋に到着。

小屋に着いてしばらくすると雨は本調子に、大日岳へ登りに行くコトもできず、寒いし暇やしで持て余し気味。

受付前のストーブにかじりつき、同宿となった方々と話していると、それなり楽しい時間を過ごせました。
やはり同好の士が集っているわけですから、話が合わないわけがなく、こういう一期一会っていうのは何気に心地良く、貴重なもんやなあと感じ入った次第。

大日小屋はこの日が小屋閉めで、宿泊最終日。
大日小屋のオーナーはギター工房やってはるそうで、小屋のスタッフは皆さん修行中の職人さんなんだとか。
夜は、職人さんがギターの弾き語りでミニコンサートをしてくれたり、けっこう盛り上がりました。
この小屋、小振りながらもなかなかにユニーク。

夜半、目が覚めてみると、劔が見えている、との囁きを聞くにおよび、屋外へ趣く。
雲は微塵もなく、昨夜とは打って変わっての天候であるよう。
月が明る過ぎて、満点の星空って感じではないものの、眼前に目を向けると、暗がりの中でも劔の稜線がくっきり際立っている。
明日は期待できそう、との想いを胸に、再度床に就く。


8日早朝。
快晴、嬉し。


朝食を済ませ、大日岳へ向かう。
昨日の到着時には見えていなかったのだが、直ぐそこにあったのね。
山頂までは、ホンのひと登り。


山頂にて、日の出を待つ。
山頂からは360°の眺望が素晴らしい。
立山三山に薬師岳、居並ぶ黒部の山々やら、視線を転じれば、先だって赴いた白馬岳やら後立山の連なりも。


遠く日本海側から西に視線を転じれば白山も。
この日、会の山友、T内さんが白山に登っていたのを知ったのは、後日のこと。


大日岳より眺める御来光というのは、実はイマイチ。
陽は正面に位置する別山のところから昇ってきますが、標高(2880m)が高すぎて、別山の山の端に位置する頃には、周囲は既にずいぶん明るくなってしまいますから、荘厳さもほどほどって感じ。
展望はよいだけに、いかにも惜しい。


薬師岳と黒部の山々が陽を浴びて、徐々にその容姿を露わにしてゆきます。

御来光のイベントも終了し、小屋に戻って、下山準備を。


劔の勇姿もこれにて見納めとなる。
来年は、どちらから眺めやれるかな。
もしくは、早月尾根からアタックってのもあり。


小屋を後にして。


再度眺めやりながら、下山の途に。


こんな景色をずっと左手に眺めやりながら、大日平へ下りていきます。


やがて、木道が敷設されたやや平坦なルートへ移行。
この木道、霜が降りてました、滑って尻餅ってのが幾度か。
今回履いてた登山靴はソールがかなり磨り減ってますものでね、そろそろ貼り替えねば。


このあたりにもガキ田が点在しています。


大日平山荘に到着。




大日平を進み往きます。


日本海までずっと続くかと錯覚するよう。
大日平は、ちょっと言葉では言い表せませんが、これまたエエところでして、薬師岳やその向こうに連なる北アルプスの山々を眺めながら広壮な湿地を歩くことで、自身潤いを得たような気分に。


弥陀ヶ原の向こうに鎮座するのは鍬崎山でしょう。
下山は室堂に向かうバスから左手に見えている所をずっと逆に下っている感じ。

大日平の終了点、牛首あたりからはけっこう急な下りとなります。
こちらから登ってくるのは大変そう。


登山口に到着。
大日小屋を出立したのは7時過ぎで、登山口着は10半頃。
約3時間半の道行でした。
もっとゆっくり下ってくれば良かったかも。
そのまますぐ近くの称名滝方面に足を向けるも、観光客の多さに辟易、踵を返して地鉄立山駅行のバス停へ向かう。

兎にも角にも面白かった。
いつか、違う季節に再訪してみたいものだ。