2012-10-08

紅葉の立山と大日三山

奥大日岳は、積雪期最初の高峰として、一昨年の春山で登頂したのでした。
あの折は天候に恵まれるも、やはり雪山、見渡す限りの剣呑な風景と雪を纏った劔に終始目を奪われてましたね。
彼方まで続く山々は一面の銀世界、山は雪を纏った方が美しいのだなあと体感。
登頂することの困難さも併せて、とてつもなく面白い山行でありました。
以前より、無雪期にもとの想いはあったものの、果たせずに今に至る。
この度、やっとこさ取り付くことがかないました。


今年も室堂に来ることができました。


室堂に着いた時点で、立山三山頂上あたりの高度はガスに覆われておりましたが、紅葉を鑑賞するに支障なし。

立山については、地獄谷を経るルートは通行止めになってまして、みくりが池温泉のところからリンドウ池を回り込むルートで雷鳥沢へ向かうんですが、周囲を見まわすにつけ、紅葉が鮮やか過ぎて◯きそう、
いやケバい、いやいや・・・、表現が悪いけれどそんな感じです。
そらもう絢爛豪華っていうか、よくもまあこんなに色づくもんやなあと。


雷鳥沢キャンプ場が見えてきました。


雷鳥沢キャンプ場を突っ切って剱御前と奥大日方面への分岐に向かいます。


沢を渡って。


剱御前と奥大日方面への分岐。
この分岐を左に進みます。


登りきったあたりが新室堂乗越。


奥大日が見えてきました。

しばらくすると、雲間から晴れ間も見え始め、新室堂乗越~室堂乗越~奥大日岳手前あたりまでは、気持良く稜線歩きを楽しめました。


室堂乗越あたりに至ると劔の勇姿が拝めるんですが、山頂あたりを覆うガスは途切れることなし。




ずっと進み往きますも、劔山頂あたりの様子は変わらず。


立山や浄土山も同じような感じ。


天狗平あたり。
アルペンルートのバス道が明瞭に視認できます。

この先あたりから、徐々にガスが深く立ち込め、眺望はおじゃん。


それでも悪いことばかりではありません。
奥大日岳山頂に至る手前で雷鳥の親子に遭遇する。
写真を撮ろうと近寄るも、逃げ出すこともなく、動じる気配なし。
人間慣れしてしまってるのかな、それってあまりイイことやありませんね。


奥大日岳山頂。
一昨年の春山では超弩級の快晴で、こちらから雪を纏った劔の勇姿を堪能したのだった。
今回は・・・。

奥大日岳を過ぎると更に雨も降ってきて、小屋へと急ぐより他になし。

とはいえ、悪いことばかりではありません。
中大日岳の手前で、再び雷鳥に遭遇。


中大日岳山頂。
ガスに加えて雨にも打たれ、わけがわからない状態に。



大日小屋に到着。

小屋に着いてしばらくすると雨は本調子に、大日岳へ登りに行くコトもできず、寒いし暇やしで持て余し気味。

受付前のストーブにかじりつき、同宿となった方々と話していると、それなり楽しい時間を過ごせました。
やはり同好の士が集っているわけですから、話が合わないわけがなく、こういう一期一会っていうのは何気に心地良く、貴重なもんやなあと感じ入った次第。

大日小屋はこの日が小屋閉めで、宿泊最終日。
大日小屋のオーナーはギター工房やってはるそうで、小屋のスタッフは皆さん修行中の職人さんなんだとか。
夜は、職人さんがギターの弾き語りでミニコンサートをしてくれたり、けっこう盛り上がりました。
この小屋、小振りながらもなかなかにユニーク。

夜半、目が覚めてみると、劔が見えている、との囁きを聞くにおよび、屋外へ趣く。
雲は微塵もなく、昨夜とは打って変わっての天候であるよう。
月が明る過ぎて、満点の星空って感じではないものの、眼前に目を向けると、暗がりの中でも劔の稜線がくっきり際立っている。
明日は期待できそう、との想いを胸に、再度床に就く。


8日早朝。
快晴、嬉し。


朝食を済ませ、大日岳へ向かう。
昨日の到着時には見えていなかったのだが、直ぐそこにあったのね。
山頂までは、ホンのひと登り。


山頂にて、日の出を待つ。
山頂からは360°の眺望が素晴らしい。
立山三山に薬師岳、居並ぶ黒部の山々やら、視線を転じれば、先だって赴いた白馬岳やら後立山の連なりも。


遠く日本海側から西に視線を転じれば白山も。
この日、会の山友、T内さんが白山に登っていたのを知ったのは、後日のこと。


大日岳より眺める御来光というのは、実はイマイチ。
陽は正面に位置する別山のところから昇ってきますが、標高(2880m)が高すぎて、別山の山の端に位置する頃には、周囲は既にずいぶん明るくなってしまいますから、荘厳さもほどほどって感じ。
展望はよいだけに、いかにも惜しい。


薬師岳と黒部の山々が陽を浴びて、徐々にその容姿を露わにしてゆきます。

御来光のイベントも終了し、小屋に戻って、下山準備を。


劔の勇姿もこれにて見納めとなる。
来年は、どちらから眺めやれるかな。
もしくは、早月尾根からアタックってのもあり。


小屋を後にして。


再度眺めやりながら、下山の途に。


こんな景色をずっと左手に眺めやりながら、大日平へ下りていきます。


やがて、木道が敷設されたやや平坦なルートへ移行。
この木道、霜が降りてました、滑って尻餅ってのが幾度か。
今回履いてた登山靴はソールがかなり磨り減ってますものでね、そろそろ貼り替えねば。


このあたりにもガキ田が点在しています。


大日平山荘に到着。




大日平を進み往きます。


日本海までずっと続くかと錯覚するよう。
大日平は、ちょっと言葉では言い表せませんが、これまたエエところでして、薬師岳やその向こうに連なる北アルプスの山々を眺めながら広壮な湿地を歩くことで、自身潤いを得たような気分に。


弥陀ヶ原の向こうに鎮座するのは鍬崎山でしょう。
下山は室堂に向かうバスから左手に見えている所をずっと逆に下っている感じ。

大日平の終了点、牛首あたりからはけっこう急な下りとなります。
こちらから登ってくるのは大変そう。


登山口に到着。
大日小屋を出立したのは7時過ぎで、登山口着は10半頃。
約3時間半の道行でした。
もっとゆっくり下ってくれば良かったかも。
そのまますぐ近くの称名滝方面に足を向けるも、観光客の多さに辟易、踵を返して地鉄立山駅行のバス停へ向かう。

兎にも角にも面白かった。
いつか、違う季節に再訪してみたいものだ。

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