2014-12-29

アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由 / 山野井 泰史

アルピニズムと死  僕が登り続けてこられた理由  YS001 (ヤマケイ新書)アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由 YS001 (ヤマケイ新書)
山野井 泰史

山と渓谷社 2014-10-24
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アルピニズムって言葉、その響きはとても格好よく、何気に惹かれるものがあり。

山を始めてよりは折に触れ、幾度か検索の対象としてその意味するところを探りつつ、その都度、自らにはとてつもなく無縁の事柄であるとの認識を深めるばかり。 本書を読了してよりは、そんな印象を尚更新たにする。

少なくとも日々のたずきを成立させるべく、そのための職に就く者であれば、おいそれと口の端に上る用語ではあり得ないのでは。 私個人のあくまでも独善的な解釈でありますが。山野井さんであればこそ、語るに足る高尚な言の葉でありましょう。

登山ブームは「楽しむだけ」の登山者を生んだ。
ネット上には無数の「山」があふれ、
メディアはごぞって気楽な山を紹介する。
”同書より引用”

同書で綴られる数多の困難な山行より導き出されるもしくは語られる教訓(?)は私ら「楽しむだけ」の登山者には、あまりにもかけ離れた世界、そんな風に思われる。そこはやはり山野井さんならでは。
もちろん、読み物としてはけっこう読ませますし悪くありません。

実際、上に引用した続きがこれまた格好よく、著者の面目躍如な感じがあり更に引用したいところなれど、ある意味、同書のタイトルに起因するというか、ネタバレ的なとこがあるのでやめときましょう。

この5月のGW、その日の16時頃やっとこさ槍ヶ岳山荘に辿り着き、泊まりの手続きを済ませた私は、はてさてこれより本峰に登っておくべきかと小屋の前で思案していた。その折、ナント著者が目の前にいらっしゃったのでした。
同じく小屋の前にいた知り合いの方だったのでしょう、自ら「山野井です」って語られているのを聞きつけたってことなんですが、 真っ黒な顔をされていましてね、北鎌をやってこられたとのことでした。

自らはアルパインな山とは無縁ではあるものの、一ファンとしてはこれからも山野井さんの胸躍らせられる活躍に期待するわけであります。

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