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2013-02-21

日本辺境論 / 内田 樹

日本辺境論 (新潮新書)日本辺境論 (新潮新書)
内田 樹

新潮社 2009-11
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ベストセラーですね。今風思想家の日本人論ってとこでしょうか。
表題の内容を、古今東西様々な著作物やその他あれこれを引用し、例証・論破する。
まあ、いささか乱暴ではあるかなと思わぬでもない。

これなんかも購入してより長く放置したまま。
時間つぶしってな感覚で手にとってみると、案外面白く、一気に読了することとなった。

「地政学的辺境性が日本人の思考と行動を規定している。」

昨今、お隣の国が隣接する大国にすり寄る事象を見て取れば、なるほどと頷けてしまい説得力が増すというもの。
ある意味、タイムリーな読み物となった。

「外来の権威にとりあえず平伏して、その非対称的な関係から引き出せる限りの利益を引き出す。これは日本人が洗練させたユニークな生存戦略なのかもしれない。」

なんて一文には思わず苦笑してしまいます。
古来より日の本の民は辺境人の自覚のもと、あらぬ方向に暴走した期間が幾度かあるものの、大凡上手く立ち回ってきたんですわね。

2013-02-11

ロング・グッドバイ / レイモンド・チャンドラー(村上春樹訳)

ロング・グッドバイロング・グッドバイ
レイモンド・チャンドラー 村上 春樹

早川書房 2007-03-08
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村上春樹がレイモンド・チャンドラーの代表作を翻訳しているのに惹かれて購入したもの。
奥付をみると、「2007年3月10日 初版発行」となっている。
そういえば、もう文庫化されてたはずやし、長く放置してたわけ。

村上訳の本書が出るまで、同じ早川書房より発刊されていた文庫本のタイトルは「長いお別れ」でしたね、個人的にはおよそ30年ぶりの再読となりますか。

訳者あとがきで語られている、チャンドラー作品の文学性ってのはようわかりませぬが、同書が凡百のミステリーとは一線を画すものであろうこと、当時よりそんな認識はあったはず。

以前の清水俊二訳の「長いお別れ」は現在手元にはなく、村上春樹による新訳との比較は叶わぬこと。
あとがきによれば、「長いお別れ」では、原書の細部がかなり端折られていたとありますから、村上訳の本書は完訳版となるよう。

今回再読してみますと、やはり面白い。
かくも味わい深い読み物であったかと、あらためて感動する次第。
当方も齢を重ねておりますからね、若い頃よりは綴られている人間の機微をより精緻に読み取れるくらいにはなり得たってことでしょうか。

同訳者が続いて訳出しているフィリップ・マーロウものも読みたくなってきましたね。
ハメットやロス・マクドナルドなんかも再読してみようかしら。
村上春樹はリュウ・アーチャーものも贔屓にされてるみたいですから、ロス・マクドナルドの代表作なんかにも手を出してもらえんかなあ。