ルーズベルト暗殺計画／デイヴィッド L.ロビンズ

ルーズベルト暗殺計画 上巻 (1) (新潮文庫 ロ 14-8) デイヴィッド L.ロビンズ 村上 和久 新潮社 2008-02 売り上げランキング : 224830 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools

ルーズベルト暗殺計画 下巻 (3) (新潮文庫 ロ 14-9) デイヴィッド L.ロビンズ 村上 和久 新潮社 2008-02 売り上げランキング : 72400 Amazonで詳しく見る by G-Tools

かつて冷戦華やかりし頃、あるいはベルリンの壁が崩壊して後もしばらくはスパイ小説や冒険小説、所謂ボリティカル・スリラーといった類の訳出点数は昨今の比ではなく、次から次へと読み耽るも到底追いつかず、その面白さを堪能したものだった。

昨今の世界情勢もある意味混沌としていて、同ジャンルの題材に事欠くものでもなかろうが、いまひとつ振るいませんなあ。

ここに登場するアサシン派の女傑と対するシークレット・サービスの臨時雇いの学者さんには、映画で返り咲いたジェイソン・ボーンばりのアクションは望むべくもなく、全くもって地味に渡り合っている。
むしろそんなところが新味なのだよ、ってことかしら。

この手の小説として傑出した内容ではないものの、長きにわたる個人的な渇きを癒やすに十分、面白い読みものとなっている。