2015-01-02

ドキュメント 御嶽山大噴火

ドキュメント御嶽山大噴火 --生還した登山者たちの証言を中心に救助現場からの報告と研究者による分析を交え緊急出版!-- 【地図付】 (ヤマケイ新書)ドキュメント御嶽山大噴火 --生還した登山者たちの証言を中心に救助現場からの報告と研究者による分析を交え緊急出版!-- 【地図付】 (ヤマケイ新書)
山と溪谷社

山と渓谷社 2014-12-01
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昨年秋の大惨事について、さほど時が経ていないながらも、ヤマケイから関連書籍が出版されていたので、御嶽山の今後を知る足しになるかなと、期待と興味もほどほどに入手した。

本書は、噴火の発生から10日間のドキュメント、この災害の中に身を置きながらも生還した被災者らの証言、専門の学者による科学的な考察、救助にあたった公的機関や小屋関係者の報告と提言、から成る。

巻末に掲載されている生存者が負うサバイバーズ・ギルドに関しての解説については、特に興味深く拝読した。
被災者や研究者、救助機関から提起されている災害に関わる対処法のいずれもが示唆に富むもので、山ヤを自認する身であれば、自らの心内に留めおくべき事柄と素直に思い至る。

夏のシーズンに2度訪れた御嶽山の山行は、自然に満ち溢れた様子や独自の山岳風景に魅せられて、個人的にはとても印象深いものだった。
以降も様々な山行きでかの独特の山容を眺めやるにつれ、そのうち機会があればまた、冬期にも一度登ってみたいもの、などと憧憬の念ばかりを膨らませていたように思う。

その日は山行には赴いておらず、テレビのニュースで噴火の第一報を知った。次第に詳らかになる過酷な状況を知るにつけても、登山を愛好していながら当事者感覚は希薄でいたって暢気、身近に感じていたはずの山が少しずつ遠くように感じられて残念な想いに支配されていたんだった。
本書を紐解いてみると、現場は想像していた以上に凄惨な状況であったことがうかがえ、誰にというわけでもなく、少しばかり恐縮の念がもたげてくる。

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